高級魚アカムツ(ノドグロ)釣り:茨城県波崎沖で絶好調の釣果!
テニス界のスター、錦織圭選手が帰国後に食したいと願ったことで一躍有名になった高級魚「アカムツ」、別名「ノドグロ」。この「幻の魚」「赤いダイヤモンド」と称される逸品が、茨城県波崎沖で今年も豊漁を迎え、連日、自主規制である一人8匹の釣果を達成する釣り人が後を絶ちません。この絶好の機会を捉え、秋の波崎港にある仁徳丸を訪れ、その人気の秘密と釣りの醍醐味に迫りました。
波崎港「仁徳丸」に集結するアカムツ愛好家たち
茨城県と千葉県を結ぶ銚子大橋の近くに位置する波崎漁港は、仁徳丸が拠点とする場所です。青木屋旅館(神栖市波崎9495)を目指して進むと、仁徳丸の看板が目に入ります。この時期、集合時間は午前4時30分ですが、午前3時には既に多くの釣り客の車が船着場に到着し、いつものように釣り座を確保するための竿や目印が並べられます。午前4時過ぎには船長と女将が到着し、船の操舵室後方の屋根付きデッキで受付が開始されます。乗船名簿に記入し、船代を支払い、エサとなる冷凍ホタルイカを受け取ります。氷は船尾のクーラーから各自がバケツで取り、自分のクーラーボックスに入れます。仁徳丸では帰港後にも氷を追加できるため、朝は飲み物を冷やす程度の量で十分です。仕掛けの準備は釣り場に到着してからでも問題ありません。釣り座に道具を積み込み、エサを桶に入れれば出船準備は完了。釣り人たちはリクライニングシート付きのキャビンに入り、短い休息を取ります。準備は滞りなく整い、午前4時45分、「第七仁徳丸」は、まだ夜明け前の海へと出発しました。
波崎港は、高級魚アカムツを求める釣り愛好家たちの聖地となっており、早朝から活気に満ち溢れています。仁徳丸は、その中心的存在として、多くの釣り人を沖へと誘います。出船前の準備作業は手際よく進められ、エサの受け取りから氷の補充、そして各自の釣り座への荷物の積み込みまで、スムーズな流れで進行します。釣り人たちは、長時間の釣りに備えてキャビンで体を休め、来るべき釣果に胸を膨らませます。夜が明ける前の静かな海へ向かう船は、釣り人の期待を乗せて力強く進んでいきます。この地の特性を熟知した船長と女将のサポート体制は、訪れる釣り人にとって大きな安心感を与え、釣りの成功へと導く重要な要素となっています。波崎沖でのアカムツ釣りは、ただ魚を釣るだけでなく、その準備段階からすでに特別な体験が始まっているのです。
寒猫根で体験するアカムツ釣りの興奮
約1時間後、船は波崎沖を代表するアカムツの好漁場「寒猫根(カンネコネ)」に到着しました。水深120m前後から釣りがスタートすると、船長のアナウンスと同時に一斉に仕掛けが投入され、すぐに右舷トモ(船尾)の岡野さんに最初のアタリが来ました。実は岡野さんは昨年も取材時に一番乗りでアカムツを釣り上げており、この日もその幸運を再び引き寄せ、見事一投目から「本命」を手にしました。この幸先の良いスタートに続き、慣れた釣り人たちが次々とアタリを捉え、船上には電動リールの巻き上げ音が響き渡ります。今シーズンは、例年悩まされていたサバの邪魔が少なく、リリースをためらうような小型魚もほとんど見られないため、釣り人たちは着実に釣果を伸ばしていきました。特に印象的だったのは、誰かにアタリがあると、ほぼ同時に別の釣り座でも魚信が見られることでした。これは、魚群の上を通過しているのか、あるいは魚の活性が上がるタイミングなのか。いずれにせよ、この短いチャンスを逃さずにエサを付け替え、誘いを入れ、仕掛けをアカムツの泳層へと正確に送り込める釣り人が、着実に釣果を積み重ねていきました。
寒猫根の魅力は、アカムツだけにとどまりません。釣り上げられる魚は、アカムツの他にもアマダイ、ホウボウ、ムシガレイ、ドンコ(チゴダラ)、オキメバルなど、食味が良い魚ばかりです。昨年はサバが釣れすぎて困るほどでしたが、今シーズンはそれほど多くはありません。それでも、時折混じる45cmクラスの丸々としたサバは、釣り味も食味も共に格別です。水深100mを超える深海での釣りは、アタリを捉えてから魚が海面に姿を現すまでに時間がかかります。「今度は何が釣れたのだろう?」と電動リールのカウンターを眺めながら、100m以上の巻き上げを期待しながら待つ時間も、アカムツ釣りならではの大きな楽しみの一つです。深い海の底から引き上げられる一匹一匹の魚には、釣り人の努力と期待が詰まっており、その瞬間はまさに至福の時と言えるでしょう。寒猫根での釣りは、多様な魚種との出会いと、深海釣りの奥深さを存分に味わえる、忘れられない体験を提供してくれます。