富士山頂小屋、荒天と営業終了の記録:2026年9月の天候とその影響
27年目の富士山頂生活、荒天の中で幕を閉じる
9月8日:厚い雲に覆われた山頂、奇跡の吊るし雲
9月8日、富士山頂は厚い雲に阻まれ、日の出を望むことは叶いませんでした。気温8℃という肌寒さの中、前線の影響で雨風が吹き荒れ、山頂は荒れた天候に見舞われました。スバルラインも朝方まで通行止めとなり、登山者の姿はほとんど見られず、山小屋も営業を休止していました。しかし、時折雲の切れ間から姿を現した吊るし雲は、一瞬の青空と共に感動を与え、人々の気分を少しだけ明るくしました。この日は、発電機のオイル交換や閉鎖作業の準備、そしてデータの整理が行われました。今後も荒天が続く見込みで、27年間で最も厳しい閉鎖期を迎えることが予想されました。
9月9日:土砂降りの山頂と閉鎖作業の進行
翌9日も、富士山頂は秋雨前線の影響で土砂降りの一日となり、気温は9℃でした。各地の五合目付近では土砂崩れが発生し、深刻な災害が報告されました。前夜に途中の小屋に宿泊していた登山者が少数ながら山頂に到着しましたが、このような厳しい状況の中でも小屋の閉鎖作業が同時並行で進められました。頂上扇屋は翌朝には営業を終了する予定であり、午後4時時点でもスバルラインは通行止めが続いていました。この状況下で、無謀な登山は控えるよう注意が促されました。
9月10日:最終営業日を飾る不安定な天候と出会い
営業最終日となった10日も、山頂は依然として最悪の天候でした。スバルラインの通行止めにより、宿泊者はまばらでしたが、天候を見計らいながら閉鎖作業が着実に進められました。雨と強風が交互に押し寄せ、たまに静かになるという不安定な一日の中で、一瞬だけ見えた空には深い感動が呼び起こされました。長らく太陽の光を浴びていないことに気づき、閉鎖作業中にヤマケイ編集部の担当者と再会するという珍しい出来事もありました。この日は、翌日の早朝に途中の小屋の宿泊者が利用する可能性があったため、急遽早朝のみ営業を継続することが決定され、トイレも開放されました。困難な状況にもかかわらず、スタッフは最後まで奮闘し続けました。
9月11日:営業最終日、荒れ模様の別れと国際色豊かな登山者
11日、営業最終日も前日と同様に荒れた天候が続きました。早朝には、途中の小屋に宿泊していた登山者たちが到着し、小屋は一時的に賑わいを見せました。その多くは外国人登山者であり、国際色豊かな最後の客層となりました。滝のように降り続く雨の中、小屋の閉鎖作業は無事に完了し、翌日には下山する予定となりました。厳しい天候の中で、スタッフはただただ天候の回復を願うばかりでした。2026年の富士山登頂証明書が発行され、今シーズンの登山活動に区切りがつけられました。