ルアーの音の秘密:魚が反応する周波数とは?
小川健太郎氏が主宰する「オガケン大学」の新たな講義が始まりました。今回は、魚の聴覚に焦点を当て、「音と匂いの世界」の第3回として、ルアーに搭載されるラトル音の真実に迫ります。幼少期にアメリカで釣りを始め、水産学研究で培った豊富な知識を持つ小川氏は、釣りを科学的な視点から解き明かすことで、アングラーに新たな発見を提供します。
このセクションでは、魚、特にバスの聴覚の特性について詳しく解説されます。人間の可聴範囲が20Hzから20,000Hzであるのに対し、バスは約50Hzから1,500Hzと、はるかに狭い範囲の音しか聞き取ることができません。彼らが最も敏感に反応するのは300Hzから400Hzの周波数帯で、これは電話の呼び出し音に例えられる高さです。さらに、高周波の連続音は魚にとって不快感をもたらし、釣果に悪影響を与える可能性があることが脳波や心拍数のデータから示されています。
ルアーのラトル音には「ゴトゴト系」(低音ラトル)と「シャラシャラ系」(高音ラトル)の二種類が存在し、これらが魚に与える影響は大きく異なります。ゴトゴト系の低音は、石が転がる音や餌となる魚の泳ぐ音など、自然界に存在する「日常の音」に近いため、魚にとって警戒心が低く、スレにくい傾向があります。一方、シャラシャラ系の高音は非日常的な音であるため、最初は魚の興味を引きますが、繰り返し聞かされることで不快感を覚え、やがてルアーを避ける「条件反射」を引き起こすことが明らかになっています。この特性を理解することは、ルアー選択において非常に重要です。
この研究は、単に魚を釣る技術だけでなく、魚の生態や感覚について深く考察する機会を与えてくれます。自然界の音と人工的な音の違いを理解し、魚に寄り添ったアプローチをすることで、私たちはより豊かな釣りの体験を得られるでしょう。魚の視点に立ち、彼らの感覚を尊重する姿勢は、持続可能な釣りへと繋がるだけでなく、自然との調和を深めることにも繋がります。