38歳ママランナー、ジェシカ・ステンソン選手:マラソン豪州新記録達成の秘訣
子育てと競技を両立し、新境地を切り拓くランナーの哲学
記録更新の背景にある多角的要素の融合
2012年からマラソンの道を歩んできた私は、今回の記録達成が多くの要素の組み合わせによるものだと考えています。長年にわたる有酸素運動能力の構築、マラソンペースにおける効率性の改善、そしてこの長い距離に耐えうる筋肉や筋繊維の強化が重要でした。また、トレーニング、精神面、そして栄養補給という三つの側面で、自身の身体能力を最大限に引き出す方法を習得できたことも大きな要因です。加えて、レース当日の好天と、バレンシアマラソンの平坦なコースという外部環境も味方してくれました。
トレーニングと生活習慣における細やかな調整
今回の準備では、マラソンに特化した10週間のトレーニングプログラムを実施し、毎週145kmから170kmを走行しました。この内容は、前回の東京マラソンやシドニーマラソンに向けて行ったトレーニングと基本的には同じでしたが、これまでの経験で培われた体力と筋力を土台にできた点が大きな違いでした。回復面でも、十分な栄養摂取と毎晩8時間以上の睡眠を心がけるという基本的な習慣を維持しました。ポイント練習は火曜と金曜の朝、そして隔週の日曜日に実施されるロングランの中で行い、その他の日はすべてジョギングに充てました。さらに、週2回のピラティスを取り入れ、一度は筋力とコンディショニング、もう一度は柔軟性と可動域の向上に重点を置きました。
マラソントレーニングの核となる重点練習
私のマラソントレーニングにおいて最も重視しているのは、日曜日の長距離走と、より長時間のファルトレク(スピードプレイ)です。バレンシアマラソンに向けては、以下のような内容の練習を行いました。例えば、15kmのジョギング後に15kmをマラソンペースで走る練習、あるいは10kmのジョギング後に20kmをマラソンペースで走る練習です。また、4~5kmのウォーミングアップとクールダウンを含め、1kmをマラソンペースよりも速く、次の1kmをマラソンペースよりも遅く、といった具合に18km繰り返すファルトレクも実践しました。
育児と両立するトレーニング術:柔軟な対応と夫の協力
二人の子供を育てながら日々のトレーニングをこなす上で、夫の協力は不可欠です。私たちは毎回、マラソンのトレーニング期間ごとに詳細なスケジュールを一緒に立てています。基本的には、夫が仕事に出かける前の早朝に主要な練習を終え、午後は子供たちの学校へ迎えに行く前に、自宅のトレッドミルやクロストレーナーを使ってジョギングを行います。夫自身もアスリートであるため、幼い二人の子供を抱えながら全てを完璧にこなすことは、正直なところ常に容易ではありません。しかし、大切なのは状況に応じて柔軟に適応し、時には創造的な解決策を見つけることです。例えば、車での移動を避け、待ち合わせ場所までジョギングで向かうといった工夫もしています。