早春の御岳山ロックガーデンと鹿肉カレーの魅力
3月下旬、筆者は御岳山のロックガーデンを訪れ、まだ冬の気配が残る中で早春の息吹を感じました。可憐なハナネコノメとの出会いを喜び、地元の名物料理である鹿肉カレーに舌鼓を打つ、心温まる一日を過ごしました。自然の美しさと地域の食文化が融合した、この時期ならではの山の楽しみ方を紹介します。
早春の御岳山で花を求めて
3月下旬、私は久しぶりに御岳山のロックガーデンを散策しました。ケーブルカーで山頂の御岳山駅に到着後、まずは武蔵御嶽神社で道中の安全を祈願しました。天候に恵まれ、春らしい陽気が感じられる日でしたが、遠くの景色は少し霞んでいました。山はまだ冬の終わりを感じさせる雰囲気で、広葉樹は葉を落としていましたが、草花の芽吹きは始まったばかりでした。スミレの葉がようやく顔を出し始めた程度で、本格的な春の訪れはもう少し先といった様子です。私は沢沿いの道に入り、足元や渓谷の石に目を凝らしながら歩きました。今回の目的は、早春に咲く小さな花、ハナネコノメを見つけることでした。
沢沿いを注意深く進むと、偶然すれ違った方がハナネコノメの群落の場所を教えてくださり、その親切に感謝しました。教えてもらった場所にはたくさんのハナネコノメが咲いていましたが、それ以外の場所ではまだほとんどがつぼみの状態でした。しかし、その小さな花はとても愛らしく、見ているだけで心が和みました。ロックガーデンは、冬枯れの風景の中にも生命の兆しを感じさせる、静かで美しい場所でした。早春の清々しい空気と、控えめに咲くハナネコノメの可憐な姿は、訪れる人々に穏やかな感動を与えてくれます。この時期の御岳山は、新緑の賑やかさとは異なる、独特の魅力に満ちています。
山の恵みを味わう至福のカレー
ロックガーデンを一周し、武蔵御嶽神社の随神門まで戻ってきた私は、参道にある茶店で昼食をとることにしました。以前、この地域のガイドブック制作に関わった際、御岳山の山頂にあるお店の方々には大変お世話になったので、いつか再訪したいと考えていました。今回選んだのは「千本屋」というお店です。店の入り口は売店になっており、奥に進むと食堂が広がっていました。店内には、こたつ席や丸太を使ったテーブル席があり、昔ながらの山の茶屋の温かい雰囲気が漂っています。私は丸太のテーブル席に腰を下ろし、温かいお茶と三種類の漬物をいただきました。下山後の疲れた体に、この塩加減がじんわりと染み渡ります。
メニューを眺めましたが、何を注文するかはすでに決まっていました。店員さんに「ディアカレーと岩清水コーヒーをお願いします」と伝えました。ディアカレーとは、このお店の名物料理である鹿肉のカレーです。奥多摩とその周辺で獲れた新鮮な鹿肉を使用しており、私以外にも注文する人が多く見受けられました。カレーの他にも、麺類や丼もの、定食、さらにはスイーツまで、豊富なメニューが揃っていました。料理が運ばれてくるまでの間、私は漬物をつまみながら店内を見渡しました。壁には多くのサインや写真が飾られており、知っている有名人のサインを見つけると、少し嬉しくなります。壁の上の方には林業で使われていたノコギリなどが飾られ、テーブルには御岳山で見られる花の名前をまとめたファイルが置かれていました。今日見つけた花の名前をすぐに確認できるのは、登山者にとって嬉しいサービスです。やがて、お待ちかねのディアカレーが運ばれてきました。陶器の器が和の趣を感じさせ、付け合わせの福神漬けとらっきょうは、カレーの定番として安心感を与えてくれました。