福島県のランニングと美食:今井正人氏が語る地元の魅力
元マラソンランナーとして名を馳せ、「山の神」と称された今井正人氏が、自身の故郷である福島県の隠れた魅力を深く掘り下げています。特に、彼が推奨するのは、単なる運動の場に留まらない、地域固有の歴史と文化が息づくランニングコース、そして運動後の疲労を癒やす、心温まる地元料理です。福島県出身の今井氏が、地元での練習拠点から、季節ごとの味覚に至るまで、その深い郷土愛とともに詳細に語ることで、読者は福島県が持つ多面的な魅力を再発見する機会を得るでしょう。
現在発売中の『ランナーズ8月号』で特集されている「東北を走ろう」の一環として、今井正人氏は誌面では語り尽くせなかった福島県への思いを共有してくれました。彼が高校時代に練習に励んだ場所の一つが、福島県南相馬市原町区に位置する雲雀ヶ原陸上競技場とその周辺です。この地は、毎年12月に「野馬追の里健康マラソン」のゴール地点となることで知られていますが、特筆すべきはその隣接する「相馬野馬追」の会場です。1000年以上の歴史を持つこの伝統行事の舞台は、約1kmに及ぶ砂地の走路や、内側には芝生のエリア、さらには観客席を利用した坂道や階段など、ランナーにとって変化に富んだトレーニング環境を提供します。今井氏自身も「私の走りの原点」と語るように、砂地や芝生での走行、坂道や階段を使った練習は、多様な身体能力の向上に寄与します。
さらに、今井氏は太平洋沿いを走る「浜街道」も推薦しています。夏場でも、朝晩には心地よい浜風が暑さを和らげ、快適なランニング体験を約束します。このような自然豊かな環境は、ランナーにとって心身のリフレッシュに最適です。
ランニング後のお楽しみとして、今井氏が挙げる地元グルメも多岐にわたります。福島県相馬市にある松川浦漁港は、新鮮な海の幸が豊富な場所であり、特に炭火焼(浜焼き)が有名です。中でも今井氏のイチオシは「ツボ鯛の塩焼き」。一般的な鯛とは異なり、その身はふっくらとして柔らかく、豊かな脂と甘みが口いっぱいに広がります。少量の醤油を垂らすのが彼のおすすめの食べ方だとか。他にもイカや貝類も楽しめ、浜街道でのランニングの終点に松川浦を訪れれば、食事とビールで至福のひとときを過ごせるでしょう。
麺好きにはたまらない、喜多方ラーメンと白河ラーメンも福島を代表するグルメです。どちらも醤油ベースのスープと特徴的なちぢれ麺が魅力で、見た目はシンプルながら、一度味わえばその奥深い風味に魅了されます。どちらのラーメンを好むかは人それぞれで、自分好みの「マイラーメン」を見つけるのも楽しみの一つです。また、旬の味覚として、福島県の中通り(県中央部)で多く栽培される桃も欠かせません。甘くてジューシーな桃は、水分補給にもなり、糖分によるエネルギーチャージもできるため、ランナーには特に嬉しい一品です。
最後に、今井正人氏は東北地方を訪れるすべてのランナーへ温かいメッセージを送っています。「福島県は浜通り、中通り、会津と三つの地域に分かれており、それぞれから多くの名ランナーが輩出されています。ぜひ、そのルーツに触れてみてください」と述べ、福島の豊かな自然、美味しい食べ物、そして人々の温かさに触れてほしいと語っています。今井氏の言葉は、ランニングを通じて福島県の文化と歴史を体感し、その魅力を全身で感じてほしいという願いが込められています。