幻のヒメマスを求めて芦ノ湖へ!釣りから料理まで堪能する究極の美食体験
今回は、なかなか出会うことのできない高級魚「ヒメマス」を求めて、神奈川県の芦ノ湖へと旅立つ冒険の物語です。『オトコの釣りメシ』でおなじみの上田勝彦氏と、海・川・湖問わずあらゆる釣りに精通するマルチアングラー、湯川一希氏がタッグを組み、この幻の魚に挑みます。これまでヒメマスを釣ったことも、触れたことも、味わったこともないという上田氏にとって、この釣行はまさに未知との遭遇。芦ノ湖の自然が育むヒメマスの魅力と、それを食へと昇華させる過程に、二人の釣り人の情熱が注ぎ込まれます。
標高700mに位置し、冷涼な気候が特徴の芦ノ湖は、ヒメマスをはじめ、ニジマスやブラウントラウトといった多様なトラウトが生息する豊かな水域です。今回、彼らが挑戦するのは、芦ノ湖で人気の釣り方である「トローリング」、通称「ヒメトロ」。広大な湖の中からヒメマスを見つけ出すには、深い知識と高度な技術が要求されますが、その探索の過程こそがトローリングの醍醐味とされています。取材時は状況が厳しかったものの、ヒットパターンを丹念に探り、着実に釣果を上げていく彼らの姿は、釣りへの深い愛情と探求心を映し出していました。
釣り上げたヒメマスは、その繊細な肉質を最大限に活かすため、特別な処理が施されます。ベテランの上田氏さえ驚いたという湯川氏の締め方は、ヒメマスならではの扱いが要求される工程です。この一手間が、その後の絶品料理へと繋がる重要な鍵となります。献立には、淡水魚としては珍しい刺身四種盛り合わせ、シンプルながら素材の味を引き出す塩煎り、上田氏流の強火で焼き上げる塩焼き、そして握らない「にわか寿司」と、趣向を凝らしたメニューが並びました。肉質の柔らかさを考慮し、細心の注意を払って調理された刺身は、それぞれ異なる表情を見せ、ヒメマス本来の風味を存分に楽しませてくれます。塩煎りは水、塩、酒のみで煮込み、時間経過とともに変化する味わいを堪能できる一品。また、他の料理とは一線を画す力強い味わいの塩焼き、そして釣人必見の「にわか寿司」は、その応用力の高さから多くの釣り人に役立つ技となるでしょう。上田氏が初めて手掛けたヒメマス尽くしのフルコースは、まさに五感を刺激する美食体験となりました。
釣りという活動は、自然と向き合い、その恵みに感謝する心を育みます。獲物への敬意と、それを美味しくいただくための工夫は、私たちの食文化を豊かにする大切な要素です。今回のヒメマス釣行と料理は、単なる趣味の範疇を超え、自然への理解と、食材を活かす知恵、そして創造的な喜びを与えてくれる、価値ある体験と言えるでしょう。